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「放蕩」
鳥の子は金床を寝ぐらとし
意識は妄想を離れ
咲かない花の夢をみる
横たわる少しばかりの羽の根は
四肢の痛みを十分に語り
脱ぎ捨てられた靴下の
かかとに這いずる天道虫
消化しきれない胃の中の石が
出会いと迷いをさまよっている
裁断機も響かない
塵も上がらない
みちのりが掘られた看板は
そうなることが望みだったように
名前だけが朽ち落ち
誰が
誰こそが仕掛けた
分厚い回転ドアの部屋割りを
刻まれるさながらに従った
五分通りの魂は
それぞれの生き方を
今も健気に体現しようとしている
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