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「天賦蹂躙」
生きているからこそ
背負った性
他者を蹂躙しなければ
生きていけないという
天賦の才能
搾取は常に
己がより弱い齢の
生き物にたいして
行われる
絶対的な終わりを
与えられる術をもつこと
それは
はたして幸運なのか
一々相手の
断末魔の恐怖を
刻み込んでいかなければならないのならば
どこかで
えぐれた墓石が
割れていくだろう
名前を刻み忘れたものの
恨みがましい声に
耳を塞ぎ
己が安らかなることを
願うのならば
せいぜい砕かれた石の破片に
気をつけてあるくことだ
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