出会い

2/5
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
 「――よって、χ=√-3…って、おい! 起きろ羽清!! ったく…しょうがねぇな」    先生は教壇を降りて、羽清と呼んだ生徒の所へ行った…一方の羽清はと言うと、気持ち良さそうに爆睡中…先生は羽清の頭を叩いた…しかも、かなり強い力でだ…。      (――…? なんだ…? 頭が……)    とても懐かしい夢を観ていた俺は、まだ半分寝ている頭を上に持ち上げると、目の前には先生の顔が…。    (いや…何故…? …そうか…これは……夢か……寝よ…)    持ち上げた頭をまた下に下げる…と…。    「いい加減起きろ! 何気に二度寝すんな!!」    耳元で先生の怒鳴り声が…。    (やべぇ……妙にリアルな夢――…)    ゴツンッ! と、鈍い音が教室中に響き渡った…。      「――ぃってて! …何も本気で殴らなくても良いだろうが…ったく…あの先生は…」    昼休み、頭を抑えながら俺、羽清 彰志はぼやいた。    「あっはは、寝てたオメェが悪いっ」    一緒に昼食を採っている内の一人、斎城 広斗(サイジョウ ヒロト)が言った。    「確かにその通りだ…お前…よく授業中あんなに爆睡出来るな…」    仲間内の一人、倉内 健弥(クラウチ ケンヤ)は同意しながらも、少し感心していた。    「まっ、彰志ってもんだな、あははは」    最後に、唐平 泰火(カラヒラ タイカ)が笑いながら締めくくった。    「くっそぉっ…人事だと思いやがって…」   俺がそう言うと、3人はにまっと笑って口を揃えて…。    「「「だって、人事だもんな」」」    と言った…この言葉にクラス内の全員が一斉に笑った。    「うるせぇっ!!」    俺はそう怒鳴ったが、一向に停まる気配無し…。    「ったく…俺はもう寝る!!」    俺はそう言って、机に突っ伏した…。    「『もう』じゃない!! 『また』だろ!?」    唐平に揚げ足を取られた…すると、また笑いの嵐が…。    「くそぉ~…覚えてろよ~…」    目の前の爆笑している3人がいつものメンバーだ…気の良い奴等なんだが…気の良過ぎる所がたまに傷だ…。    「えぇい…うるさい…」    そう言いつつも、この在来りな時間が少し嬉しかったりする…これが俺のクラス…人間の皆との普段の生活だ…。image=164445508.jpg
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!