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「――よって、χ=√-3…って、おい! 起きろ羽清!! ったく…しょうがねぇな」
先生は教壇を降りて、羽清と呼んだ生徒の所へ行った…一方の羽清はと言うと、気持ち良さそうに爆睡中…先生は羽清の頭を叩いた…しかも、かなり強い力でだ…。
(――…? なんだ…? 頭が……)
とても懐かしい夢を観ていた俺は、まだ半分寝ている頭を上に持ち上げると、目の前には先生の顔が…。
(いや…何故…? …そうか…これは……夢か……寝よ…)
持ち上げた頭をまた下に下げる…と…。
「いい加減起きろ! 何気に二度寝すんな!!」
耳元で先生の怒鳴り声が…。
(やべぇ……妙にリアルな夢――…)
ゴツンッ! と、鈍い音が教室中に響き渡った…。
「――ぃってて! …何も本気で殴らなくても良いだろうが…ったく…あの先生は…」
昼休み、頭を抑えながら俺、羽清 彰志はぼやいた。
「あっはは、寝てたオメェが悪いっ」
一緒に昼食を採っている内の一人、斎城 広斗(サイジョウ ヒロト)が言った。
「確かにその通りだ…お前…よく授業中あんなに爆睡出来るな…」
仲間内の一人、倉内 健弥(クラウチ ケンヤ)は同意しながらも、少し感心していた。
「まっ、彰志ってもんだな、あははは」
最後に、唐平 泰火(カラヒラ タイカ)が笑いながら締めくくった。
「くっそぉっ…人事だと思いやがって…」
俺がそう言うと、3人はにまっと笑って口を揃えて…。
「「「だって、人事だもんな」」」
と言った…この言葉にクラス内の全員が一斉に笑った。
「うるせぇっ!!」
俺はそう怒鳴ったが、一向に停まる気配無し…。
「ったく…俺はもう寝る!!」
俺はそう言って、机に突っ伏した…。
「『もう』じゃない!! 『また』だろ!?」
唐平に揚げ足を取られた…すると、また笑いの嵐が…。
「くそぉ~…覚えてろよ~…」
目の前の爆笑している3人がいつものメンバーだ…気の良い奴等なんだが…気の良過ぎる所がたまに傷だ…。
「えぇい…うるさい…」
そう言いつつも、この在来りな時間が少し嬉しかったりする…これが俺のクラス…人間の皆との普段の生活だ…。
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