出会い

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出会い

 学校帰りのとある道の曲がり角…走っていると、ドンッ、と誰かにぶつかった…。    「きゃっ!?」    「わっ!?」    声からして女の人だと思う…俺達は2人で尻餅をついていた。    「だ、大丈夫!?」    女の人は立ち上がると、こっちに向かって来た…。    (…………綺麗な人だなぁ……)    俺はその女の人を見てそう思った…まるで人では無いかの様なとても綺麗な人…この世のモノとは思えない程…。    「立てる?」    女の人は微笑み掛けながら訊いて来た…笑うともっと綺麗だ…。    「…………へっ? あっ! はいっ!! 大丈夫…ぃったたた…」    少しの間…見惚れていた…はっと我に返り、返事をしながら立ち上がったが、地面にぶつけた部分が痛んで、ついつい口に出てしまった…。    「大丈夫? 怪我は無い?」    女の人はそう言って心配しつつ、クスッと笑った。    「あ、あのっ! その…ぶつかって済みませんでした!!」    少し赤くなりながら謝罪した…いつもの俺らしくも無い口調だ…。    「良いのよ、気にしないで、でも今度からは気を付けるのよ?」    女の人は微笑みながらそう注意し…。    「それじゃあ、私は行くわね、気を付けて帰るのよ」    俺の来た道を歩いて行った…すると、向こうから友達が走って来た。    「お前…早ぇよ…」    「ちょっとは…こっちを見ろよ…」    2人同時に別々の文句を言って来た…。    「まったく…体力と脚力はスゲェんだから…ん? お前、その土埃どうした?」    やっと気付いたらしい…。    「いやぁ、女の人とぶつかっちまってな…さっきお前らとすれ違った人だよ」    そう説明すると、2人は顔を合わせて首を捻り…。    「女の人って…誰だ?」    真剣にそう訊いて来た……小学五年生、夏の話だ…。image=164442508.jpg
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