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「―…。」
気まずい。
誰がなんと言おうと気まずい。
子供のガン見ほど気まずいものはないだろうと、心なしか春を感じる3月に俺は痛感した。
しかも、俺の仕えている玉芙蓉様の屋敷で見掛けた事のない子供。
年齢から言えば、別邸に住む羅刹女様の御子息くらいしか思い浮かばない。
だが、今目の前に居る子供は真っ白な肌に濃紫色の瞳、黒緑色の毛色。まさしく桜木家男児の血統であるが何故だかフリフリのベビーピンク色のワンピースで髪の毛はツーテイルに結い上げられている。
…女の子?
考え込んでる今ですら謎がいっぱいの子供は此方をガン見している。
「―……」
気まずい。
子供なんか大嫌いだ。
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