…チョコチップクッキーとホットミルク…

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「…今から焼却炉まで行くのに、君が付き合ったらな。」 そう言えば、理解するのに時間がかかったのか少し間を置いてから、とびきりの笑顔付きで「うんっ!!」と元気に返事が返ってきた。 「…なんで俺が…。」 背中にはズシリと重たいお荷物を持った俺が小さくぼやいた。 スピースピーと鼻を鳴らし眠る“お荷物”がとても可愛いが酷く憎たらしく複雑な心境だ。 遡ること半刻ほど前。 晴れて仲間(?)になった子供を連れ、焼却炉まで行ってきた。 までは良いが、今度は子供の指す場所に行こうとする途中「つかれた。」と駄々をこねられたのだ。 仕方無くせがまれていた、おんぶをしてやれば、最初うちキャッキャキャッキャ騒いでいたものの時間の経たないうちに子供が眠ってしまい、現在にいたる。 「てゆうか、アッチって何処だよ…。」 溜め息混じりに呟いてしまう。 ひっきりなしに「アッチ、アッチ!!」と言っていただけで子供の指す場所がいまいち掴めなかった。 とりあえず、本邸の前までは到着したが、それ以降の場所が分からなくて困り本邸の庭先で立ち止まる。 起きる様子のない子供を若干怨んだ。
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