ご飯を食べよう

5/13
前へ
/925ページ
次へ
そういえば二限目の数学の時間に、岩城は教科書に隠れてコソコソ何かしていたっけ。 ニヤは岩城の様子を思いだしながら呆れたように彼を見た。 まさか授業中に弁当を食べていたとは。 「なんか、お前ってさ。 ホントにどうしようもねー奴だよな」 半ば関心したように言ったニヤに岩城は苦笑いをこぼすと「でもさー」言いながらパンの包みを開ける。 「朝飯くってんのに、二限目始まる頃には腹ペコちゃんなんだよな」 「なんだよペコちゃんって……つーかさ、男って、んなに腹へるもんなの?」 「人にもよるだろうけど、ウチのクラスの男共の大半は昼前には弁当食っちまってるな」 言いながらパンを頬張って「よく食う男が好きなんか?」尋ねる岩城をニヤは無視すると、デザートにと玲が入れてくれたイチゴを摘む。 「玲がさー、飯くわないんだよ」 ワクワクしながら返答を待っていた岩城がすっと目を細め「ノロケなら余所でやれ」 一個めのパンを平らげる。
/925ページ

最初のコメントを投稿しよう!

707人が本棚に入れています
本棚に追加