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そういえば二限目の数学の時間に、岩城は教科書に隠れてコソコソ何かしていたっけ。
ニヤは岩城の様子を思いだしながら呆れたように彼を見た。
まさか授業中に弁当を食べていたとは。
「なんか、お前ってさ。 ホントにどうしようもねー奴だよな」
半ば関心したように言ったニヤに岩城は苦笑いをこぼすと「でもさー」言いながらパンの包みを開ける。
「朝飯くってんのに、二限目始まる頃には腹ペコちゃんなんだよな」
「なんだよペコちゃんって……つーかさ、男って、んなに腹へるもんなの?」
「人にもよるだろうけど、ウチのクラスの男共の大半は昼前には弁当食っちまってるな」
言いながらパンを頬張って「よく食う男が好きなんか?」尋ねる岩城をニヤは無視すると、デザートにと玲が入れてくれたイチゴを摘む。
「玲がさー、飯くわないんだよ」
ワクワクしながら返答を待っていた岩城がすっと目を細め「ノロケなら余所でやれ」
一個めのパンを平らげる。
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