ご飯を食べよう

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結局、捨てようとしたカレーを取り上げられて「せっかく作ったのだから、たべよ」という玲の言葉に促されるまま、ニヤは玲と並んでリビングのテーブルの前に座っていた。 目の前に置かれたカレーは所々「こげ」が混ざる以外は見た目普通のカレーで、香りも良いのだが。 その味を知っているだけに、ニヤとしてはなんともいたたまれない。 「いただきます」 玲は律儀に手をあわせると、ニヤのカレーを一匙すくって口に入れる。 恐る恐る様子を伺うニヤの視線に気がついて玲はフワリと笑うと。 「とっても美味しいよ」 苦しそうでもなくそう言った。 玲の言葉に「そんなに不味くないのか?」とニヤも自分のカレーをつつくと、少しだけ食べてみる。 「まじい」 ご飯と合わさるとなぜだか粉っぽさが増して、益々不味く感じる。 「お前さ。 こう言うときに気使って、そう言うこと言うの、逆に傷つくんだぞ。 そう言うのは優しいんじゃなくて、事なかれ主義っつーの。 なんでも誉めときゃ喜ぶと思うなよ」 ニヤが睨むと、玲はもう一さじカレーを掬って。 「ごめんね」 言うと嬉しそうに食べる。
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