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「う゛ー」
ニヤは唸ると玲の肩に顔をうずめた。
昔は無感情だの無表情だと言われたニヤだが、玲と暮らすようになってから、どうにも感情を上手くコントロールする事ができない。
玲がニヤの頭を優しく撫でてくれて。
しばらくそうした後、ニヤは自分のカレーに向き直った。
玲が食べているのにニヤが食べないわけにはいかないと、何口か食べてはみるのだが……。
ニヤの複雑な表情に玲は自分の食べ終わったお皿とニヤのカレーをヒョイとつかみ「おいで」キッチンの方へといく。
ニヤが慌てて後を追いかけると。玲はニヤの作ったカレーの前に居て。
「砂糖とバターと、後はパルメザンかな?」
言いながら、色々な調味料を足していく。
最後にケチャップと水を加えて「どう?」ニヤの前に味見用の小皿を差し出した。
ニヤはそれをそっと口に運ぶと。
「うめー」
思わず呟く。
なにが変わったのかはわからないけれど先ほどと同じものとは思えないカレーが出来上がっていた。
「でもさ、残りどうするの?」
玲が作り直したのは全体の半分だけで。
ニヤが尋ねと玲は。
「僕の明日の朝ご飯と昼ご飯だよ」
そう言って笑うとニヤの残したカレーと鍋を冷蔵庫にしまった。
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