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それらは全て、ニヤが外で玲にじゃれついている写真で。
「可哀想な女の子を拾った心優しい青年……には見えないよね、コイツを見る限りでは」
山岸は一枚、一枚、ニヤの鼻先に写真を掲げ「本当に、あの水瀬君がねー」心底嬉しそうにいう。
「コレをもし、週刊誌なんかに売れば。 面白いことになるって、そう思わないか?」
ニヤの表情が強張って、山岸は満足そうに口の端を上げた。
ニヤにだってわかる、倫理的に許されざる愛に走る天才画家。
そんな面白いものを世間が放って置くはずがないと。
いや許されざる「愛」と認識してくれたらまだマシな方かも知れない。
恋愛倒錯者、異常性愛者として玲が非難される可能性は極めて高い。
それだけならまだ良い。
世間でなんと言われようが二人の気持ちは変わらぬのだから、ただ……下手をすればニヤは玲と一緒に暮らせなくなる。
「で? どうすれば良いんだよ?」
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