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表面上、冷静を装い、なんでも無いことのように言ったニヤに山岸は大仰に驚いて見せた。
「わざわざ、その週刊誌とやらに行かずにニヤんとこ来たんだから、そう言うことなんだろ?」
「違うのかよ」睨みつけるニヤに、男は俯いて肩を揺らすと「さすがだね」顔を上げた。
「水瀬君が入れ込むだけのことはあるよ。 君は随分とお利口なようだね」
「お前より、ちょっと賢いくらいだよ。 さっさと用件を言えよ。 ないならもうニヤは帰るぜ」
立ち上がったニヤの腕をつかみ山岸がそれを制止した。
僅かに体が震えて、ニヤの手はそれを振り払うことが出来なかった。
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