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10月始めにもなると、浜辺には犬を散歩させている家族に、堤防で釣りをしているおじさんがちらほらいるくらいである。
砂浜の真ん中に、亮太と百合は腰かけた。
また、あの甘い香りが蘇る。
エタニティ―
定番だけど、敢えてスタンダードを選ぶ。飾らない亮太らしくて、逆にセンス良く思えてしまう。
『とりあえず、ありがとう。』
『え、何が?』
突然発せられた言葉に、沸いたままの言葉を返す。
『付き合ってくれて、ありがとう。』
百合の頭は一瞬、フリーズしてしまった。こんな恥ずかしい言葉サラッと言ってのけるのは、ジャニーズか漫画だけじゃないの?恥ずかしすぎる。
『アホじゃないの?意味分かんない。』
そんな言葉を受けても笑顔を絶やさない。余裕があるのか、アホなのかは百合にも分からない。
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