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『あ・・』
やべッ
へんな間があいてしまった。
『・・うん、いいよ。』
体の温度が急上昇し、にわかに鼓動が早く鳴り始めたのを絶対に悟られないよう、短く絞り出すような声で百合が答えた。
返事を聞いた亮太は、へなへなとその場にへたりこんだ。
『まじで?はぁ~良かった。二回も振られたら、立ち直れないから。』
安堵の表情を浮かべ、しゃがんだままの体勢から、今度はしっかりと目を合わせ、告げる。
秋の終わり。ひんやりとした空気が百合の体を冷まそうとするも、一度熱を帯びた体はそう簡単には収まってはくれない。
日が落ち、薄暗くなった空には煌々と星が光っていた。
グレーの世界でも妙に暖かい彼の笑顔は印象的だった。
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