冬の始まり

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『百合おはぁ♪』 学校に着くと、一目散に百合を見つけ駆け寄ってきた、彼女の名は綾。 黒く焼けた肌にアッシュ系の髪の毛をぐりんぐりんに巻いている。アユを“神”と崇め、常にラインストーンでゴテゴテの携帯をいじっている。 百合はなぜかそんな彼女から慕われていた。百合にとっても綾は学校で唯一気の許せる存在だ。 『何か綾に言う事あるんじゃないのぉ!?』 綾がニヤニヤしながら百合の肩に手をまわした。綾は亮太と仲が良い。おそらく昨日の話だろう。 『亮ちんの事?』 『そうだよ。亮ちんから電話かかってきて、一時間もその話!!』 それを聞いて百合は始めて、綾に笑顔を見せた。 ―良かった。電話は多分、送ってもらった後の話。まだ嫌われてはいないみたい。 緩んだ親友の表情を見て綾も満足そうである。
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