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教室に入るともう既に半数以上は登校していた。
騒がしい、その教室の中心にいる亮太。いつもみたく仲の良い友達に囲まれた、たまらなく楽しそうなその表情が見える。
喧騒とは相反する、静かな窓際で百合はなるべく亮太の方を見ないようにして席につく。
だけど・・、中心の中で一際目立つ、今は百合の物になったそのやさしい笑い声がはっきり耳に届いた瞬間、振り向くと亮太と視線ががっちり合ってしまった。
彼は百合を安心させるのがうまい。
片手をあげ大きな声で、
『おはよう。』
とにっこり笑う。
それだけの事。
それだけの事で百合の心は安堵とほのかな喜びで暖かくなる。
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