重なる想い

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”傷を舐め合う”って言葉通り、俺達はその行為に没頭した。 まだ足りない。もっとさくらを感じていたい。 白くて柔らかい肌とか、髪の毛とか、つま先とか、俺の動きに反応して漏らす声とか…。 さくらを形成する全てが愛しくて、呆れる程に抱き合った。 ―さくら…。 ―楓…。 何度も名前を呼び合い、この瞬間が夢じゃない事を確認する。 こんなに幸せな気持ち、忘れかけていた。
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