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久しぶりに涙が一滴だけ零れ落ちた。
(ヤベ…。)
通行人に気付かれないようにシャツの袖で涙を拭い、もう一度桜の木を見上げる。
(これからは、毎日ここ通らなきゃな。)
満開まで咲き誇って、いつか散るまで…俺は見届けるよ。
いつか家でも建てる日がきたら、庭には絶対桜の木を植えよう。
またひとつ目的ができた。
(ありがとう。)
後悔しないように、これからも精一杯頑張るよ。
俺は今日も、歌舞伎町で生きている―…。
完
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