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トントン。
女の子の肩を軽く叩いた。
「ちょっといいかな?来てくれる?」
女の子は半ば強引にある一室に連れて来られた。
事務所のような部屋に二人きり。何とも言えない怖さに女の子は戸惑う。
そして、
「さぁ、脱いで。」
女の子の足を見つめる怖い目。
「……嫌。」
「そんな事言うなよ。さぁ、自分で脱げるでしょ?」
「嫌っ!できない!」
「………。」
女の子は頑なに拒否をした。
「早くしろっ!!」
そう言いながら、女の子に手を伸ばした。
「嫌っ!キャー!!」
女の子の叫びにその手は止まった。
「はぁ…。いい加減にしてくれるかな?あなたは万引きをしたのよ!早くその靴下を脱ぎなさい!」
女の子は、盗んだ靴下を渋々脱ぎ、店員の女に差し出した。
「靴下にTシャツ四枚、それとガム。他にはないわね?」
「はい…。」
「自分がした事の重さを分かっているの?」
「すいません…。」
女の子に反省している様子は見られない。
「分かってると思うけど、万引きは立派な犯罪。あなたを警察に渡しますからね。」
途端に女の子の顔色は変わった。
「それだけは許して下さい。会社は辞めたくないんです。やっと決まった会社なんです。もうしませんから。」
「知りません。」
すると、タイミング良く
「お待たせしました。」
と警察官が登場し、店員は万引き女を引き渡しましたとさ。
終わり。
万引きは立派な犯罪です。
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