彼氏

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当時私には、付き合って1年半になる彼氏がいた。 彼は、25歳の会社の先輩。キリっとした目の好青年の風格がある人だった。             その彼と付き合う様になって3ヶ月後、彼の長年の夢だった『小学校の先生』が臨時採用と言う形で叶い、私の街から45キロ程離れた所に住む事になった。 離れて暮らす事に寂しぃ思いでイッパイだったが、少しホッとした気もあった。 何故なら彼は、束縛が人より過剰だと思える所があったからだ。その束縛から少しでも解放されると言う意味ではホッとした。 しかし私の気持ちとゎ裏腹に彼と離れてますます束縛は酷くなった。 1、スカートをはくな 2、黙って遊びに行くな ここまでゎまだ我慢が出来た。 3、遊びに行くな 4、女友達とも遊ぶな 5、兄弟とも出来るだけ遊ぶな 6、仕事が休みの日は彼の家で彼が帰って来るまで、外に出るな 7、付き合いだろうがなんだろうが飲みに行くな 8、男友達や、会社の男の先輩の連絡先の消却 頻繁に言われる内に束縛に口答えも出来ず文句も言えず『従う』しか出来なぃ。今となれば私の姿と言うのを忘れていたように思う。 何故そんな彼にすがりついて居たのか。             それは、私の息子にとっては『父親』にもの凄く近い人だったからだ。 子供の本当の父親=私の元旦那は浮気、風俗がかなり頻繁で、ご飯を作って待っている家族の所に週1、2回帰って来る様な人だった。 もちろん、子供の発表会や運動会にも来ず私にとってみれば最低の旦那で息子にとってみれば父親って存在が誰なのか分からないと言う感じだった。 その旦那と離婚して彼と付き合う中で息子は彼の事が大好きで、運動会や発表会に来てくれる『父親』みたいな存在。 だから自分を圧し殺し『家庭』的なものを壊したく無かった。 従うと言うことしか出来なかったのだと思う
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