二人の出逢ったとき。

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俺はそれを首の位置を変えるだけで避けた。 あれを額に受けるのはヤバイからな。確実に病院に行くことになる。 「揚羽先生。チョークは投げるためにあるのではないと思います。」 俺はそう言って後ろを見ると、チョークはコンクリートの壁にヒビを作り、粉々になっていた。 ………訂正しよう。 あれは病院では済まない。その前に逝ってしまう。 「私もそう思うわ。でもね、授業に集中しない生徒に制裁は必要じゃない?」 と揚羽先生は笑顔で俺に言った。 ヤバイな。あれは『黒揚羽』だ。下手な事を言えば死ぬことになるな。 「スイマセンデシタ。僕が悪かったデス。」 俺は素直に謝った。 カタコトになったことは気にしないでおこう。 いくら怖いもの知らずな俺でもあれは恐い。 「わかればよろしい!じゃあ授業を再開するわよ~。」 揚羽先生は笑顔で言い、授業を再開させた。 その後、授業が終わるチャイムが鳴るまで問題なく授業は進んだ。
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