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「おはよう。燈夜。」
俺が学園までの坂道を歩いていると後ろから声をかけられた。
「おはよう。洸。」
俺はそう言って振り返るとチャラチャラした男がいた。
こいつの名は『矢城洸(ヤシロ コウ)』俺と同じ柳麗学園の国文学専攻。
見た目はチャラチャラして浮わついているように見えるけど何故か常識がわかっていてしっかりしてる。
本人曰く「そのギャップがいいんだよ!」らしい………
ついでに運動が得意でよく部活の試合に助っ人として駆り出されている。勉強は………まぁやればできるな。
俺の幼なじみで何があってもコイツだけ信じている。
「お前今日は早いんだな。いつも遅刻寸前なのに。」
矢城は俺の横に並びながら言った。
「いや、俺が早いんじゃなくてお前が遅いんだ。あと五分で始業のチャイムが鳴るぞ。」
俺は時計を見せて言った。
「ヤバッ!燈夜!走るぞ。」
矢城はあわてふためきながら俺に言った。
「先に行ってくれ。朝から走るのはダルい。」
俺はヒラヒラ手を振りながら笑顔で言ってやった。
なのに………
「何言ってるんだ!俺と出会ったのが運のツキだ。遅刻はさせねぇ!」
洸は俺の腕を掴んで走り出した。
なんでコイツはこんなとこに真面目なんだ?
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