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「じゃあ今日の遅刻は矢城だけだな。残念だったな矢城。」
その後、教室に入ってきた国松先生は大声で笑いながらそう言うと教室から出ていった。
ついでに言うが国松先生は体育教師だ。部活は陸上を担当。
歳は29歳だが独身で彼女もいない。
まぁ見た目が体育教師にも関わらず爽やかな感じなんだよ。
もう意味がわからないと言いたくなる。
あだ名は『鬼教官』あるいは『地獄からの使者』。
授業がありえないくらいしんどいからこれには頷けるな。
さて、授業の用意でもするか。
「燈夜………俺を見捨てやがったな!」
いつの間にか後ろに回っていた洸は俺の首を絞めながら言った。
「そんな………わけはない。」
俺はそう呟くのが精一杯だった。
うわっ!マジで世界がぼやけてきた。
「そのへんにしとかなあかんよ?」
と声が聞こえた瞬間、洸のうめき声が聞こえ、首を絞める力が弱まった。
た……助かった!
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