二人の出逢ったとき。

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国文学と現国担当の揚羽(アゲハ)先生が入ってくると後ろに見知らぬ女生徒が入ってきた。 「皆さん。彼女は転校生の卯月涼香さんです。本当は朝のホームルームに紹介するはずだったんだけど、校長先生の説明とかが長くてこの時間になったの。じゃあ、卯月さん。自己紹介して。」 と揚羽先生がいうと卯月と呼ばれた女生徒が頷いた。 「初めまして。卯月涼香です。本当は始業式に合わせてアメリカから帰国する予定だったのですが、諸事情により今日になりました。 日本は10年ぶりでいろいろ迷惑をかけると思いますがよろしくお願いします。」 卯月さんはそう言って頭を下げた。 周りは一瞬沈黙したがすぐに拍手が起こった。 俺も一応それに倣って拍手をした。 まぁ俺にはあまり関係ないがな。恐らく専攻が違うはずだし。 だが新たな同級生を歓迎しないといけないしな。 「彼女は英文学専攻だから英文学の人は彼女にいろいろ教えてあげて。席は………神凪君の隣が空いてるから卯月さんはそこに座って。」 揚羽先生はニコニコしながら言った。
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