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(もうここまできたか)
いつの間にか目的の場所に来ていることに気味の悪さを感じつつ、目的の紅い扉に近付く。この扉には格子窓が無く、三辺に無数の鍵が付いている
「相変わらず不気味だな」
誰もいないにも関わらず声に出しているのは恐怖を感じているからなのか、ポケットから無数に鍵のつくリングを取り出し一つ一つ開け始めた
「ふう。これで最後か」
ようやく最後の鍵を開けると一歩下がり取っ手に手をかける。分厚い鉄の扉は重く、やっとの思いで開けると男は中に入ろうとして、体が動かないことに気付く
「?」
不思議に思い自分の下半身を見るとへそからすぐ下に床があり、その脇に自分の下半身が倒れている
「!?なっ!!?」
瞬間、驚きの声をあげる男の首は、しかし最後まで言いきれずに吹き飛び、そのまま絶命した。
ぺた ぺた
男であった肉片の脇に全裸の小年が近付き、横たわる男の下半身からズボンを剥ぎ取り、右手から伸びる鋭い爪で太腿の両端を切り取り、血抜きをした太腿に噛り付いた
クチャ クチャ メキ
クチュ クチュ
静かな廊下に喰われる音が響く。表情に感情は無く、ためらう事なく無心に肉片を喰らう。縦に裂けた左眼は紅く輝いている
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