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12月11日午前7時
チュンチュン…チュンチュン…
『ん…あぁ~…朝か…』
僕はいつもよりはやく起きた
今日は父さんと母さんの命日だった…
僕の町では家族の命日に陰命草と言う草の花をお供えするしきたりになっている
陰命草は夜にしか咲かない花を持つ珍しい草で時計塔の周りにしかはえない不思議な草でもある…
近所のおばちゃんの話しでは陰命草は夜につまないとすぐに枯れてしまうらしい
僕は着替えて家の外へでた
『おっはよぉ!』
女の子の声と同時に突然後ろから頭をぽんっと叩かれた
『お…おはよう…今日も元気だね』
彼女はリンネ僕の幼なじみ
『今日陰命草をつみに行くんだよね?…私も連れてってよ』
さすがに女の子を夜の時計塔へ連れて行くことはできない
『危険だから無理…』
リンネは不満そうに
『ケチぃ…いいもん勝手について行くから!…べぇ~だ』
僕は軽く流して
『とにかく今日の儀式の準備をしなきゃいけないから…』
『ちょ…ちょっとぉ』
案外時間は早く過ぎていくものでいつの間にか夜になっていた…
12月11日21時
そろそろ陰命草の花が開く頃だ…
僕は時計塔へ急いだ
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