『カ〇スマンション』〔前編〕

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『カ〇スマンション』〔前編〕

今はどうなのか解らないが、埼玉のK市に【カ〇スマンション】と呼ばれる、心霊スポットがあった。(てか、今もあるかな?)他県ナンバーの車も良く止まってた、当時ここら辺では強力で有名なスポットの一つだった。ちなみに本格的に現地に出向いての肝試しは、これが初でした。ここへ出向こうと思ったのは、弟の一言に興味を持ったからでした。弟『兄貴…オレの友達達がここから遠くない心霊スポットで、マジで見たらしい。』俺『友達が?マジで?』弟『ああ…数人で行ったらしいんだけど、廃虚になってるマンションみたいな建物で、上まで上がって何も無くて…引き上げようぜって事になった。そんで階段を降りて帰ろうとしたら、踊り場の所に…赤ちゃんを抱いた女の人が揺れてたって…。』俺『ぐわぁ!怖くね?』弟『取り敢えず行ってみない?』俺『二人じゃきついな…あいつらも連れて行こう』あいつらとは、近所の幼なじみの事である。(ちなみに、初めての肝試し編の時にもコイツらはいた)オレが連絡を取ると、急いでやって来た。オレらの話しを一部始終聞くと、友『面白そうじゃん、行ってみよう!』と即決!(笑)友達の車に便乗すると、そう遠くない現地へ向かった。こちらの人数は4人。悪くない。(悪くないってのは人数的にって事。多い方が心強いよね(笑))時間は夜中の3時にもなろうかとしていた。団地を過ぎてしばらく走ると大きな道路。少し走り弟の指示で横道へ入る。道のアップダウンが激しくなって来た。俺『ここら辺か?』弟『う~ん、確かここら辺って言ってたん…あ、あった!アレじゃね?』見えた…進行方向左手に、真っ暗な中にそびえる様に建っている建物が…。その建物は、異様な雰囲気を放っていた。この辺りは民家はあるのだが、街灯が少なく全体的に暗さが深い。すでに先客がいるらしく、車が入り口の前に何台か止まっている。噂の建物は、この入り口の門から舗装された道を100㍍位奥に行った所にたたずんでいる。道の両脇には木が生い茂り、昼間でも薄暗い事を連想させる。
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