『てけてけ』と遭遇

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『てけてけ』と遭遇

妖怪『てけてけ』とも呼ばれる、半ば都市伝説化している幽霊をご存知だろうか?知っている方は、かなりのマニアだ。『てけてけ』とは、身体が上半身しかない幽霊。足が無い為に、ひじを使い高速で《てけてけ》と這う様に移動する姿が、全国のあちらこちらで目撃されて恐怖の対象になっているらしい。実は、今まで生きて来て一番不可思議でびびった話しを今から書きます。……色々あった前章まで過ごした土地を離れた時、オレはもう高校生になっていた。色々あったあの家を引越した時は、正直ホッとしていた。高校に入る為、深夜まで受験勉強していたオレは連日連夜、ポルターガイスト現象(天井を何か大きい物が這いずり回る)等に悩まされていたからだ。しかし今度引越した家も、なんとお寺の裏…(-_-;)。それでも、今まで弟と共同の部屋で過ごしていたので、自分一人の部屋が出来た事にオレは素直に喜んだ。オレの部屋は2階のお寺側とは反対側の角部屋。真ん中の部屋が弟の部屋。そして、お寺側の角部屋は誰も使わない書斎の様な部屋になった。ちなみにその部屋の窓からは、お寺の裏側の墓なんかが丸見えと言う感じ。しかも家の隣は竹藪だし、道路に出て100㍍も行くとデカイ霊園があるし。(また霊園かよ…。)この一画は、全体で6戸の一戸建てが立ち並んでましたが、このような環境のせいか日当たりも悪くて、なんかどんよりとした住宅地でした。
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