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『ハツネジマコントロールよりチェリーブロッサム2へ。AWACS(早期警戒管制機)やレーダーサイトの情報では、防空識別圏にはなにも異常はなかったそうだ。そりゃそうだ、こっちの防空レーダーに急に現れたからな…！』
管制官の神妙な声がスピーカーから響く。
高速で飛来する軍用機に対して、領空を実際に侵犯してから対応するのでは遅すぎるため、各国は防空識別圏を設置している。
国籍不明機が、防空識別圏に接近し始めた時点でスクランブルの発進準備が下令されるのだが、防空識別圏にもひっかからなかったのではスクランブルのしようがないのである。
『妙ね。AWACSにも、レーダーサイトにもひっかからなかったなんて…』
まゆきも怪訝そうな呟きを漏らす。
『音姫ー、どうする？練習生を連れてるし、こっちは不利よ』
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