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その発端は、中国海軍の護衛艦や哨戒艇が中部海峡をパトロールし始め、海峡沿岸に対空・対艦ミサイルや対空砲などを配備したことに端を発する。
イーストジャパン(東側の呼称)政府は、『あくまでパトロールであり、関係を刺激するものではない』と発表したが、これに対しウエストジャパン(西側の呼称)政府は強く抗議し、米軍に要請を出し在日米軍が西側の海峡沿岸に駐屯するようになった。
だんだんと緊張状態が高まり渡航自粛を促す中、ついに事件が起きた。
中国海軍の護衛艦が中部海峡をパトロール中、不審な貨物船を発見、攻撃し撃沈したというニュースが飛び込んできたのだ。
この貨物船は西側船籍の貨物船で、中部海峡を回って韓国の釜山に向かう途中だった。もちろん船を運航していたのは民間人であり、撃沈されるいわれはない。
イーストジャパン政府の官房長官は
『中国海軍の護衛艦の乗組員からの話によれば、停船勧告を促したが停船しなかったので不審船とみなし発砲、撃沈した』
と発表したが、ウエストジャパン政府はそれを後ろについている中国側の策略ではないのかと猛抗議し、このまま関係が崩れるようなことがあれば東西日本を別々の国とし、国交断絶も辞さない、とした。
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