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春の木漏れ日が降り注ぐ。
俺らは数週間前に、めでたく高校生となった。仲の良いまるちゃんとも同じクラスになれて、学校にも慣れてきて平和そのものだった。
「青春…それは…!」
未だに青春を熱く語るまるちゃんを見て、少し頬が緩む。
ここは、音楽室近くにある非常階段の踊り場。普段ここは、誰も通らんみたいで、居心地のいい場所になっている。
「まるちゃん、熱く語ってるとこ悪いけど、その話飽きた」
「なぁにを言ってるんや!青春を楽しく過ごすために、僕は意気込んでるんやで!」
「はいはい、」
青春なんて、どうでもいい。
適当に友達作って、適当に恋愛して俺の青春は過ぎてくんや。
…なんて、思ってたのにまさかこの俺が物語の主人公になるなんて思ってもみなかった。
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