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数100m先に、壮大な城が見えてきた。
どうやら、見張りがいないようだ。
中に入り込むのは、容易だろう。
問題は、薔薇の姫君がどこにいるのかということだ。
他のヴァンパイアと鉢合わせするわけにはいかない。
軽々と城壁を飛び越え、城内へと足を踏み入れると、そこは薔薇園の中だった。
色とりどりの薔薇が咲き乱れている。
「さぁ、薔薇の姫君…、お姿をお見せください…。」
シェリーは、艶やかな声で呟くと、ゆっくりとした動作で、薔薇園を進んで行った。
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