…prologue…

2/3
前へ
/19ページ
次へ
僕の記憶は、古びれた教会から始まっている。   なぜそこにいたのか、僕は覚えていない。   酷く腐敗が進んだその教会にいたのは、僕一人。   とても人間が来るような場所ではない。   僕は、そう思った。   ただ、神や誰かに救いを求めるわけでもなく、目の前のキリスト像を見つめていた。   「おや、こんな所に人の子かい?」   突然、教会に響いた女性の声。   彼女の名は、シンシア。   僕を心から愛してくれた、ヴァンパイア。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

62人が本棚に入れています
本棚に追加