62人が本棚に入れています
本棚に追加
僕の記憶は、古びれた教会から始まっている。
なぜそこにいたのか、僕は覚えていない。
酷く腐敗が進んだその教会にいたのは、僕一人。
とても人間が来るような場所ではない。
僕は、そう思った。
ただ、神や誰かに救いを求めるわけでもなく、目の前のキリスト像を見つめていた。
「おや、こんな所に人の子かい?」
突然、教会に響いた女性の声。
彼女の名は、シンシア。
僕を心から愛してくれた、ヴァンパイア。
最初のコメントを投稿しよう!