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「そんなに警戒しないでくださるかしら?私はただ、アリスに会いたいだけなの。」
「その身につけている徽章は、テイラー家のものですね。とすると、ウェイン様の差し金ですか?」
ウェインの名が出たとたんに態度が一変したシェリーは、微笑むのを止め、溜息をつきながら、細く長い剣を鞘から引き抜いた。
「残念ね、出来ることなら、無用な斬り合いは、避けたかったのに。」
「では、お引き取り願います。」
「そうもいかないの。ごめんなさいね。」
言い終わるか否や、素早い動きでフレデリックに斬りかかる。
フレデリックは、避けながら剣を鞘から引き抜いた。
「避けてばかりね?」
攻撃的なシェリーに対して、防御に徹するフレデリックは、苦悩の表情を浮かべていた。
「………戦いたくないのです。」
「……甘いわね、死ぬわよ?貴方も、アリスも。」
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