13人が本棚に入れています
本棚に追加
/78ページ
携帯のアラームが鳴る。
化粧もちゃんと落とさず、倒れ込むように眠ったから、肌が荒れている。
無理矢理に布団から抜け出して、グダグダと朝の支度を始める。
身体は鉛を流し込んだように重たい。
馨の毎日は概ねこんな風に始まるのだ。
何の為に生きているのかなどと悩む暇さえない。
青空をみても、曇り空をみても
「ああ…また一日が始まってしまう」
としか感じないほど、心が摩耗してしまっていた。
一人で生きると決めたあの日から…
最初のコメントを投稿しよう!