ケーキと紅茶の材料

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目を覚ますと、他の五人は寝ていた。 どれくらい寝ていたのだろうか、窓もない牢屋なんで全く見当も付かない。 ふと横を見るとコップに入った水と、皿に乗ったクロワッサンが二個置いてあった。 寝ている間に食事が運ばれていた様だった。 水を飲みながら牢屋の外の様子を伺って見る。 壁に掛かった小さな燭台が唯一の明かりの様だ。 不意に小さな人影が奥の方から現れた。 俺は突然の来訪者に驚いて、手にしていたコップを石張りの地面に落として割ってしまった。 「しまった…!」 慌てて割れたコップの破片を集める。 「痛ッ!」 俺はうっかり指を破片で切ってしまった。 「誰かいるのー?」 声の主が牢屋を覗き込む。 まだ小さな女の子だった。 「え…?君は?」 ガタイの良いコワもての看守が現れると思っていただけに、俺は拍子抜けしてしまった。 「私?私はフランドールってゆーの。 姉さまは、フランってゆーけどね。 それより、あなたケーキどこにあるか知らない? 美鈴がここにケーキがあるって言ってたの!」 フランと言う女の子はお腹を擦りながら喋る。 どうやらお腹が減っているようだ。 「パンならあるけど…、食べる?」 俺は皿に乗ったパンをフランに差し出す。
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