53人が本棚に入れています
本棚に追加
「うーん、私はケーキやお菓子が好きかなー?」
フランの答えに俺はホッと胸を撫で下ろす。
どうやら、今この場で頭からガブリはなさそうだ。
ぐー。
お腹の鳴る音が牢屋に響いた。
あはは、とフランは笑った。
俺も釣られて笑うともう一つのパンをフランに差し出した。
「俺はお腹いっぱいだから、も一つどうだい?」
フランは、「うん!」と頷くとパンを受け取りパクパクと食べ始めた。
俺はフランが食べ終えるのを眺めていた。
フランはパンを食べ終えると腕で口を拭おうとしたので、俺は持っていたハンカチで口を拭ってあげる。
フランはうー、と目を瞑って大人しくしている。
「はい、おわりっ」
フランの口を拭い終わると、フランは不思議そうな顔をして俺の顔を覗いてくる。
「どうしたの?」
何と言って良いのか分からないのかフランは少し困惑している様だった。
暫くしてフランは口を開いた。
「あなた…私が怖くないの?」
怖い?
フランの質問の意味が良く理解できなかったが、俺は思ったままの事を口にした。
「怖くないよ。
こんなにかわいい子に、怖いとか言う奴がいたら、俺が怒ってあげるよ」
そしてフランの頭を撫でてあげた。
最初のコメントを投稿しよう!