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次の日学校へ行くと、ザワザワと教室が騒いでいた
「おはよう。美幸。なに騒いでるの?」
私は美幸に聞いた
「なんか、他のクラスの男子がさ、かくれんぼしようって言ったんだって。そしたら、先生に怒られてさぁ、停学くらったって。」
かくれんぼくらいで停学?
なんか馬鹿げてる話しだ
「それってやっぱり赤子さんが出るからかなぁ?」
私もすっかり美幸と変わらなくなってる
「なんかウワサじゃあ、昔かくれんぼした生徒が誰かに殺されたらしいよ。」
「なんで赤子さんはかくれんぼしたら出てくるの?」
昨日の疑問を聞いてみた
「よくわからないけど、イジメにあった時かくれんぼしたらしいよ。」
いまいちよくわからなかった
里美に聞いてみよう
迷わずそう思った
「里美さん。なんで赤子さんはかくれんぼしたら出てくるの?」
里美は、唇を震わせながら言った
「赤子さんは、みんなにイジメられてたの。誰も友達がいなかったの…
でも…
ある時、みんなにかくれんぼしようって誘われたの…
赤子さんは喜んだわ。でもそれは、みんなの作戦だったの…」
震える唇はいっそう大きくなった
「じゃんけんする前に赤子さんは鬼になったわ…
でも赤子さんは嬉しくて、鬼でもかまわなかった…
100数える間に、みんなは帰っていったわ…
そんな事も知らない赤子さんは…
赤子さんは…」
里美は体中が震えていた
怒りにも似た表情で…
「赤子さんは探したわ…
夜中、仲間外れになるのが嫌で…
帰らないで探したわ…
それからこの教室に入って…」
私は昨日のアルバムを思い出した
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