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次の日、里美は本当に卒業アルバムを持って来た
ひどく汚れてボロボロになったアルバム
「私のお父さんのアルバムなの…」
「何年前のだよ(笑)」
「お前の親父が赤子なんじゃないのか?」
周りがクスクスと笑い出す
「赤子さんをバカにしたら死ぬよ…」
か細い声で答えた
「何が赤子さんだよ。変な名前」
隆太がまたひやかす
「赤子さんは…」
里美は言いかけてやめた
「いいから見せろよ!」
里美からアルバムを奪いとった
それから、ペラペラとページをめくり
「どこにもいねーじゃねーかよ。赤子なんて」
そう言って里美にアルバムを放りなげた
「あぁ…っ…」
里美は慌ててアルバムを掴んだ
「嘘つき!」
「あんたには見えない…」
「なんだそれ?言い訳か?」
「ちゃんと見てないから…」
そう言って里美はページをめくる
指指した場所を見て
「ぎゃぁーっ!」
隆太は失神した…
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