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「さあて…、そろそろ時間かな」
コンラッドはそう呟きながら左手を差し出してきた
おれはそれに反射的に反応し自分の左手を差し出した
するとコンラッドはおれの左手を自分の口元に持っていき、軽く触れるぐらいの口付けをしてきた
「…っな!?」
「では、ユーリ。行ってきます。」
そうコンラッドが言った瞬間
海のお友達はゆっくりと商船へと動き始めた
「……っコンラッド!!」
口付けられた事にびっくりして、段々彼が遠ざかっていっているにのにほんの数秒気付かなかったおれは
少し叫びながら彼の名を呼んだ
「はい」
「あんたの還る場所は何処だ」
互いに視線が合わさった瞬間
コンラッドは力強くこう言い放った
「あなたの許です」
おれ達ははその後、互いが見えなくなるまで
視線を外すことなく、ただただ互いを見つめあい続けた
END
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