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『残念ながらウェラー卿の寿命は今夜までです』
赤い髪を静かに揺らしながらアニシナさんはそうおれに告げた
「う…そ…だろ…?
だってコンラッドはあんなに元気じゃないか!!外傷だって全然ないし…」
「あれは外傷は関係ないのです。ただ体内の器官が全て停止し……」
「嘘だ…ッ!!」
「あの村の住人、皆同じ病気にかかったと陛下も報告を受けているはずです。
体は永遠に腐らずただ体内の器官だけが止まる、という病気を…
コンラートもその病気にかかり余命は今夜…」
「嫌だ!!嫌だッ、聞きたくない――――ッ!!」
【Last Night~二人に与えられた最後の夜~】
あの後、しばらくしてなんとか落ち着きを取り戻したおれは
腫れた瞳を見られないように少しうつ向き気味にコンラッドの部屋へと入った
「…」
「…陛下、俺の病症はどうでしたか?」
部屋に入っても何も反応を示さないおれにコンラッドはそう訪ねた
そう、コンラッドの変わりにおれが病症を聞きにいったので
コンラッドはまだ自分の病症が知らないのだ
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