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『ちょっと!パパも海斗もふざけてないで早くしなさい!入学式から遅れるでしょ!!!!』
母親の怒鳴り声
久しぶりに聞いたよ
最近は、俺ばっかでけぇ声だして母親は黙っていたから。
俺が、6歳っつーのを認めたとしても、気持ちは変わらないんだなぁ。
記憶も全てある。
なんなんだよぉ!
『行くぞ、海斗』
父親が俺に手を差し出す。
つっつつつつ繋ぐのか?
俺がボーッと見ていると父親がフッと笑った
『ほら、早く繋ぐ!』
俺はゆっくり手を出した
手の平は汗まみれさ・・
『何照れてんだよ!』
父親と手を繋ぐって、ガキじゃね・・
あっ、俺はガキか・・
父親との思い出なんか全くねぇんだぜ?
顔すら忘れかけてたんだぜ・・?
今さら、過去に戻ったからって嬉しくねぇよ。
俺は繋いだ手を振り払った。
『どうした?』
「別に」
『な~んか、今日は海斗ご機嫌斜めだなぁ』
父親がまた俺を抱き上げた。
「おろせー!!嫌だっつってんだろ!!」
『ハハハハハハ!』
笑うなぁぁぁぁ!!
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