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俺は、不覚にも父親に抱っこされた。
『撮るよ~!』
母親が玄関の前でカメラを向ける。
デジカメじゃねーのかよ・・!!
『海斗!笑って!』
母親が言う
「笑えるかっつーの!」
声変わりもしてない俺の高い声は、全然迫力ねぇし。
『いーから、笑え!』
仕方なく俺は、ニッと笑った。
気もちわりぃ・・
『さっ行くか!!』
「は?俺、真ん中なわけ?!」
父親が左手、母親が右手を繋いできた。
いやいやないから。
こんなの、ありえねぇっしょ?!
『何言ってんの?あんたは真ん中好きじゃない。』
母親が言う。
『そうだよ!海斗。本当今日の海斗は妙な感じたなぁ。さっきも明日で二十歳とか言ってたしなぁ』
父親が言うと母親は爆笑しながら言った。
『アハハハハ♪海斗が明日で二十歳って?アハハハハ♪海斗が二十歳になる頃、また三人でこの話しよーっと!』
『本当だ!』
楽しげに話しやがって・・
勝手に離婚するじゃねぇかよ。
俺がどんな思いをしたかなんて考えねぇで・・。
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