102777人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の記憶では父親は俺が小学校1年の夏に突然消えた。
女作って逃げた。
そう思い出したのは中学生の時。
父親の顔さえ覚えてない。
母親は俺を1人で育てたって周りから同情されてる。
団地の情報は早いんだ。
中学生の時から俺は近所のオバサン達に言われ続けた。
『お母さんを大事にしてあげなさいね?アナタを1人で育ててるんだから。』
まじ、うぜぇよ。
それってさ、俺達家族をバカにしてんだろ?
哀れみの目で俺達を見て、可哀想、可哀想って、いつ俺が可哀想なんだよ。
母親だって、自分が逃げられたんだろ?
自業自得なんだよ。
俺は、こんな家に生まれたくなかった。
だから、俺は明日から家を出る。
母親に言うつもりはない。
言ってどうなる?
どうもならねぇよ。
俺は1人で生きていくんだよ。
家族なんていらねぇ。
作らねぇ。
見たくねぇ。
幸せな家庭なんて俺には考えられねぇよ。
バーカ。
この家を出たら、二度と母親の顔も見なくてすむ。
まじ、せーせーするよ。
最初のコメントを投稿しよう!