ナナイロ

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「…あの」 不意に野ブタが口を開く。 「なに?」 「先…、行っても、いいよ」 「え、どうして。そんなこと言わないで」 もしかして、オレと帰るの嫌とか…?? あ、彰ショック!!! とか内心焦っていると、 「私の歩調に合わせてくれてるから…、つ、疲れるんじゃないかと思って…」 そう野ブタが言うと、オレは一気に力が抜けて。 「なぁんだ、そんなこと…驚かせないでほしいナリ…」 野ブタが「?」を浮かべて、オレのことを見上げる。 「や…えっと、そんなこと思ったことないし。」 ていうか、もっと遅く歩いてもいいんだけど。 野ブタと、1秒でも長くいたい。
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