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屋上で朝の空気を吸い込む。
秋の空気はひんやりとして、のどが冷たくなる。
そろそろ予鈴が鳴るころだな。
そう思って教室へ向かうことにした。
ひらひら、と手を上下に動かして階段を降りる。
降りていると、うつむきながら階段を上り終えたばかりの少女が目に入る。
「野ブタだ~おはよう。」
最後の二段をとばして降り、彼女の方に駆け寄る。
彼女は振り向いて、立ち止まる。
「お…おはようございます…」
どもりながら、挨拶を返してくれた。
「お早うございます」
と、もう一度自分も挨拶をする。
すると野ブタもぺこりと返した。
可愛い。
「…あの、…」
「え、何?」
「アレ…いつもやってるの?」
あれって何だ?オレが首を傾げてみせると、
野ブタが控えめに手を上下に動かしてみせた。
「あぁー」
コレね、とオレも手をひらひらと上下に動かした。
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