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それは、唐突にやってきた。
―――ドォォォォォンッ!!
「!?」
僕たちは弾かれたように外に出た。
嫌な予感がする。
「あれ!」
レインが指差す方には煙が上がっていた。
僕が確認すると同時にレインが駆け出した。
「レイン!」
呼び止めるが、レインは足を止めずに駆けて行った。
僕も後を追うように駆け出した。
走ったのは久しぶりだ。
いつ以来だろうか…
久しく感じていなかった風はとても気持ちよかった。
レインは広場の入口で人と話していた。
スピードを緩め、話しを終えたレインに話しかけた。
「どうした」
「音楽グループが演奏を終えて、直ぐにステージが爆発したそうです」
初めて見るレインの顔だった。
不安に揺れ動く瞳は煙を上げ続けるステージを見つめていた。
「とにかく観客を避難させよう」
僕の声に頷いて、レインは混乱しつつある観客を誘導しに向った。
もちろん、僕も。
観客があらかた避難した時。
再びステージで爆発が起こった。
「一体なにが起こってるんだ…」
二人してステージを見つめていると四つの影が浮かび上がった。
「ホントにこーんなとこにあんのかぁ?」
「あるさ、反応がでている」
「でもでも!いくら待ったって反応は強くなんなかったよー?」
「ある!必ずあるぞ!!
オレが探し出してやる!!」
四人の個性的な声が煙の中から聞こえてきた。
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