新しい道

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「…ほら、凄いでしょう?」 そこには、確かに地平線へと繋がる道が一本あった。 シャドウは目を細め、その道を見つめる。 「…君はこの街を出ようとは思わないのか」 「はい、私は変わりたくありませんから」 「変わりたく…?」 意味を掴めず、シャドウは再び問い返す。 「街を出れば、なにかが変わってしまう気がするんです。 それが何なのかはわかりません。 ですけど、私は今の私でいたいんです」 道を見つめるレインの瞳は、遥か彼方のまだ見ぬ街を捕らえているのかもしれない。 「…変わることが、全て悪いことじゃない」 「?」 「僕は"彼ら"のおかげで、良い方へと変われた。 人と出会えば、人は変わっていくものだ」 シャドウの言葉は確かにレインの心に染み込んでいた。 だが、彼女は知らないふりをし「そう…ですね」と呟いた。 きっと、彼はこの道も走り抜けたのだろう。 きっと、彼は今もどこかを走っているのだろう。 きっと、彼らは自分を探しているのだろう。 きっと、きっとまた会えるだろう。 僕が見つめる先には、まだ走ったことのない、新しい道が続いていた。 ☆
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