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教会の前に着くと、レインは息が切れていて、膝に手を置いていた。
シャドウ「すまない、嫌な予感がしたんだ」
また、何かがおころうとしている。
カオスエメラルドが再び人の手に渡ろうとしている…。
レイン「あれ?」
レインが教会に目を向け、声を上げた。
レイン「扉が、閉じてます…」
シャドウ「!」
確か、僕たちは爆発音を聞きつけて外に飛び出し、そのまま駆けていった筈…。
顔を見合わせて、僕は扉に手をかけた。
ゆっくり開くと、いつもはレインがいる祭壇の前に一人のハリネズミが立っていた。
薄紫の髪が光りに照らされている。
「…どちらさまですか?」
あんなことがあった後だ、レインも心もち緊張したように話しかけた。
「おや、失礼してます。
私は教会が苦手でして…
ですが、この教会なら大丈夫な気がして、おじゃましていました」
驚くほど綺麗なオッドアイだった。
右は夕日のようなオレンジ。
左は森の草木のような緑。
レインが近付こうとするより早く、僕が一歩前へ出た。
「外であれだけ騒ぎがおこっている、気にならなかったのか?」
「そうなのですか?気付きませんでした」
うっすらと笑いを浮かべるその顔にゾクリと悪寒が走った。
「では、私はそろそろ失礼します」
こちらへ歩いて来たソイツに道をあけた。
「また、いずれ」
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