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走って行くと、崩れ落ち着いた壁が道を塞ぎ何人かが避難出来ないまま立ち往生している。
「……分厚いな」
シャドウは壁を見つめて呟いた。
リングがあればカオススピアかスピンで破壊出来るかもしれないが、あいにくここにリングはない。
「どけどけーっ!!」
後ろからの声に振り返った二人はこちらへ走ってくる赤い人影が見えた。
「マスターエメラルドの…」
シャドウの呟きの意味はレインにはわからないが、走ってくる彼がシャドウの知り合いと言うことはわかった。
「邪魔だぁーっ!」
拳を振り上げた彼…
ナックルズ・ザ・エキドゥナ
は思いっ切りふりおろした拳で壁のコンクリを粉々に砕いて着地した。
何人の人から「助かった」という声が聞こえてくる。
「…なにやってんだ!早く行きやがれ!」
ナックルズの叫び声に街人はバタバタと安全な場所へと駆けていった。
彼はそれを見送ると二人に向き直った。
「…ちゃんと生きてたな、シャドウ」
「…あぁ」
素っ気無い言い様はナックルズそのものを現しているようで、シャドウは変わらないなと少し微笑んだ。
「…ん?誰だ、ソイツ」
とナックルズが指を差したのはレインだ。
「はじめまして、レイン・ロウ・スカイです」
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