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ソニックは彼女、レインに勧められるがままに壊れかけの長椅子に腰掛けた。
「旅をしてらっしゃるのですか?」
「いや、ただ走ってたんだ」
「走って?」
不思議そうに首をかしげたレインにソニックは「そ♪」と楽しそうに笑った。
「ステーションスクエアからな」
「えっ、あの街から?」
ここからだと車でも丸一日はかかるだろう。
ソニックを知る者なら「お疲れだねー」くらいの話しだが、レインには信じられない話しだった。
「オレは足が早いからな!」
あっけにとられながらもレインは「凄いですね」と笑った。
その笑顔にソニックも微笑み返す。
「あ、人を探してるんだ。
オレに似てて、つり目で黒いハリネズミなんだ…
知らないか?」
レインは少し考えたあと「見たことないです」と苦笑い気味に返事を返してきた。
「そっか…
どっこ行ったんだか…」
ポリポリと頭をかいてソニックは視線を下げた。
「お友達…ですか?」
「Yes!
仲間なんだ、少し前から行方がわかんなくなった」
シャドウはきっと今もどこかで生きて、空を見上げている。
そう誰もが信じている。
「見つかると、いいですね」
声に彼女を見上げると優しく微笑んでいた。
まるで、必ず見つかると言っているように。
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